なんとも緩い寝顔の猫ちゃんに思わず笑みを漏らした。
「気に入ってもらえてよかった。こんな殺風景な部屋だけれど、ちょっとは落ち着いてもらえるといいが。……俺と暮らすのに、かなり戸惑っていただろ?」
「そ、そんな……!」
と言い繕っても、事実に違いなかった。
図星を当てられて焦ったのがつい表情に出てしまったのか、湊さんがうすく苦笑いを浮かべる。
「……ずっと俺のことが怖かったんだろう?」
「え?」
「誠からきいたよ。熊か犬に見えてたって」
「い、いえ、そんなことは……!」
慌てふためく私を見て、湊さんはふっと笑った。
目じりが下がって、驚くほど優しい顔になった。
きゅんと小さく胸がうずいた。
「あの時は……九歳だったか。あんな経験したなら無理もないよな。俺も昔は不愛想で、怖がられること多かったし。これでもましになった方なんだけれども、やっぱりまだ怖いよな」
そう穏やかな声で言ってくれる顔には、困ったような、それでいてどこか面白がるような表情が浮かんでいた。
ああこの人は、本当はすごく優しくていい人なんだ。
「気に入ってもらえてよかった。こんな殺風景な部屋だけれど、ちょっとは落ち着いてもらえるといいが。……俺と暮らすのに、かなり戸惑っていただろ?」
「そ、そんな……!」
と言い繕っても、事実に違いなかった。
図星を当てられて焦ったのがつい表情に出てしまったのか、湊さんがうすく苦笑いを浮かべる。
「……ずっと俺のことが怖かったんだろう?」
「え?」
「誠からきいたよ。熊か犬に見えてたって」
「い、いえ、そんなことは……!」
慌てふためく私を見て、湊さんはふっと笑った。
目じりが下がって、驚くほど優しい顔になった。
きゅんと小さく胸がうずいた。
「あの時は……九歳だったか。あんな経験したなら無理もないよな。俺も昔は不愛想で、怖がられること多かったし。これでもましになった方なんだけれども、やっぱりまだ怖いよな」
そう穏やかな声で言ってくれる顔には、困ったような、それでいてどこか面白がるような表情が浮かんでいた。
ああこの人は、本当はすごく優しくていい人なんだ。



