湊さんだって、きっとこの生活に戸惑っているはずだ。
元の生活に戻ってこれまで通り仕事に集中してもらえるよう、しっかりしなきゃ。

やっかいになるのだから、掃除や料理といった家事は、迷惑にならない範囲で私が受け持つと提案した。
でも湊さんは「生活はすれ違いになると思う。気にせず、好きにしていい」と言ってくれた。

「解決するまで安心して暮らせばいい。それまでは俺もできる限りサポートするから」
「……本当に、ありがとうございます」

深々と頭を下げると、湊さんはわずかに目を伏せた。そしてすこしだけ間を置くと、紙袋を持ってきて小さな箱を取り出した。

「つまらないものだけど。同居のお祝いというか……いや、その……プレゼントだ」
「えっ……」

どきっとして胸が温かくなった。
責任感で引き受けてくれたのに、プレゼントまで用意してくれるなんて……なんて優しい人だろう。

「わぁ……！」