学校の委員会が遅くなって、その日の帰宅も夕方になっていた。
足早に家路を急ぐ私の前に、突如人影が現れた。
「こんにちは。この前は驚かせてごめんね」
夕日の逆光で顔が見えなかった。
ただ、大きな体と、そこから延びる黒い影、そして低い声が異様な雰囲気を出していた。
またあの怪獣に襲われた時の恐怖がよみがえって――
「きゃあああああっ!」
全力で家まで走って逃げた。
その直後、湊さんが兄を訪ねてきたことを知ると、あの人影が彼だったと悟った。
恥ずかしさと申し訳なさで、その日私は夕飯も食べずに部屋に籠った。
湊さんはその後も何度か家に来たけれども、私は自然と彼を避けるようになってしまった。
すっかりきまり悪くなってしまったのもあるけれども、あのトラウマ以来、体が大きな人が苦手になってしまったのも理由だった。
湊さんも最初はどうにか打ち解けようとしてくれたけれども、私がつい拒むような行動をしてしまうので、いつしか目も合わさなくなってしまった。
どうすることもできないうちに、いつしか湊さんが家に来ることはなくなった。
幼心に深く落ち込んだのを覚えている。
彼とのことは“黒歴史中の黒歴史”として、私の記憶の奥底に封印されるはずだった。
だというのに、まさか、その湊さんと大人になってから同居するなんて――いったいどういう運命のめぐりあわせなんだろう。
足早に家路を急ぐ私の前に、突如人影が現れた。
「こんにちは。この前は驚かせてごめんね」
夕日の逆光で顔が見えなかった。
ただ、大きな体と、そこから延びる黒い影、そして低い声が異様な雰囲気を出していた。
またあの怪獣に襲われた時の恐怖がよみがえって――
「きゃあああああっ!」
全力で家まで走って逃げた。
その直後、湊さんが兄を訪ねてきたことを知ると、あの人影が彼だったと悟った。
恥ずかしさと申し訳なさで、その日私は夕飯も食べずに部屋に籠った。
湊さんはその後も何度か家に来たけれども、私は自然と彼を避けるようになってしまった。
すっかりきまり悪くなってしまったのもあるけれども、あのトラウマ以来、体が大きな人が苦手になってしまったのも理由だった。
湊さんも最初はどうにか打ち解けようとしてくれたけれども、私がつい拒むような行動をしてしまうので、いつしか目も合わさなくなってしまった。
どうすることもできないうちに、いつしか湊さんが家に来ることはなくなった。
幼心に深く落ち込んだのを覚えている。
彼とのことは“黒歴史中の黒歴史”として、私の記憶の奥底に封印されるはずだった。
だというのに、まさか、その湊さんと大人になってから同居するなんて――いったいどういう運命のめぐりあわせなんだろう。



