愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 返答に困っていると、東條さんは優しい声で「俺はね」と話し始めた。

「別に優しくないよ。ただ、咲良ちゃんには優しいオジサンって思われたいだけでさ」

 またオジサンっていった。そんなことちっともないのに。

「会ってちゃんと話したい。どこへでも迎えにいくから」
「……今会ったら、東條さんに嫌われるかも」
「俺が咲良ちゃんを?」
「冷静じゃないし、今、すごくマイナス思考で……」
「それくらいで、じゃあ会うのを止めようなんていわないよ」

 繰り返し「迎えにいくよ」といった優しい声に、会いたい気持ちが傾いた。


 一時間後、私は大学前駅の改札口に立っていた。
 人のいない改札で、冷たい夜風を感じながら少しだけ冷静さを取り戻す。

 私はどうしたいのか。なにが知りたいのか。どうして、麗華さんのことにショックを受けているのか。
 東條さんを待ちながら考えた。

 彼と私は済む世界が違う。
 社長と学生が恋人になるなんて無理だ。諦めを抱きながら、日に日に好きな気持ちは膨れている。