愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 恋をしているのは、きっと私だけで。そんな私が、東條さんに愛されることなんて……

「一織さんの車に乗せてもらったそうね」
「え、はい……」

 どういう意味だろうかと首を傾げると、麗華さんは小さくため息をついた。

「車ってプライベートな空間でしょ。誰でも乗せる訳じゃないと思うの」
「……そうでしょうか?」
「少なくとも、私は一織さんの車に乗ったことがないわ。乗りたいとも、二人きりになって会話が成立するとも思えないけどね」
「俺も、好きでもない子を車には乗せないと思うよ。それも毎日だろう? 自信持ちなって」

 そういわれても、なんの取柄もない私が東條さんに愛されるだなんて、そんな都合のいい話しがあるわけない。
 カップの中で揺れるコーヒーを見つめ、ため息をついた私は「考えさせてください」と答えるのが精いっぱいだった。