愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 結城くんの彼女に会うのに、どうして東條さんが出てくるのか。
 予想外過ぎて、きょとんとしてしまった。すると、結城くんは肩を寄せるようにして近づくと、少し屈んで「ライフメトリクスの社長、東條一織だろ?」と、こそこそ尋ねてきた。

 どうして、結城くんが東條さんの会社のことを知っているのか。
 驚きすぎて、否定することもできずに息を呑んだ。

 私たちが一緒にいたのを見た猪原さんだって気付かなかったのに、どのタイミングで気付かれたのだろうか。

 もしかして、野崎教授が東條さんを来春の特別講師に呼んでいるし、そこから情報が漏れたとか。いやいや、教授にはあの翌日にゼミ生には話さないよう口止めをされたし、それはないはず。

 返す言葉に戸惑っているとと、結城くんはため息をついて「やっぱり」と呟く。

「結城くん、あの、それは……」
「別に周りに話したりしないから安心して。あのお喋りな二人にもいわないし。彼女に会ってもらう前に、確認したかっただけだから」
「……どういうこと?」
「ちょっと協力して欲しくて……とにかく、俺の彼女と会ってくれ」

 そういった結城くんは、再び歩き出した。