愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「ははっ、冗談がすぎたか。でも、俺のために無理をして身体を壊されたくないのは本音だ。それに、これからも料理を作ってほしいって思ってる」

 食洗器に洗剤を入ててスイッチを押す。
 手際のいい咲良ちゃんが、食事の前に調理器具は片づけておいてくれたから、俺のやることは高が知れていた。

「それにほら。洗い物は食洗器だよりだから、もう終わるよ」
「便利な世の中ですね」
「だから、洗い物は気にしないで。……そうだ、コーヒー淹れようか」
「そんな気を遣わないでください!」
「ははっ、ドリップじゃなくて機械任せだから、座ってて」

 ソファーを立とうとした咲良ちゃんは、少し困ったような顔をして戻る。

「豆は、さざんかで買っているんだ。けど、店長が淹れるコーヒーの方が美味しいんだよな」
「……わかります。店長に淹れ方教わってるけど、いまいちなんですよ」

 微妙な温度なのか豆の量、ドリップにかける時間なのか──首を傾げながら、咲良ちゃんは呟いている。
 本当に真面目で研究熱心な子だ。健康オタクに拍車がかかるわけだな。

「咲良ちゃんは研究熱心だし色々と挑戦してるよね」
「そうですか?」