愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 そもそも、このマンションって新婚向けの設計なんだろうな。コンロは三つ口だし、備え付けの棚が凄く充実している。お母さんが見たら大喜びするようなシステムキッチンだ。

「本当に必要最低限って感じですね。このフライパンなんて、箱から出されてもいないし、ヤカンもピカピカ」
「ウォーターサーバー入れてるから、お湯を沸かすこともないんだよね」
「なるほど。冷蔵庫開けますね」
 
 断りを入れて開けた冷蔵庫は、予想通りがらんとしていた。

 炭酸水のボトルにヨーグルトとジャム、チーズ。それからワインボトルと牛乳パックに──調味料と呼べるものは見当たらないし、不健康極まりない冷蔵庫だ。

 念のため冷凍庫も開けてみた。
 こっちも想像通り空っぽで、冷却ジェル枕とロックアイスの袋、それからアイスのカップがいくつかあるだけだ。冷凍食品は一個もない。

「買ってきた物を入れても、まだ余裕がありそうですね」
「だから、なにもないっていっただろう」
「東條さんが健康に無頓着でエンゲル係数の高い食生活だってことが、よーくわかりました!」