愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 カウンター付きのキッチンが備わるリビングには、ソファーとテーブルにテレビがある。でも、それだけだ。
 リビングだけでも私の部屋より広い。十五畳くらいありそうだけど、閑散としている。

 どんな部屋に住んでいるんだろうとドキドキしていた気持ちが、ほんの少しだけ落ち着いた。それと同時に寂しさも感じる。
 カーテンレールに洗濯物がかかってるくらいの生活感があった方がよかったな。

 ここには寝に帰ってくるだけの生活なんだって、嫌でもわかった。恋人の写真とか、忘れ物があってショックを受けるよりはマシかもしれないけど。

「荷物はソファーの上にでも置いて」
「東條さん……この部屋、寂しいですね」

 バッグを下ろしながら、思わず言葉が零れ落ちた。

 カウンターの向こうで買ってきた物を袋から出す東條さんが、曖昧に「そうかもね」と頷いた。

「モデルルームでも、もう少し物があると思うんですけど」
「私物は寝室に置いてるから、物がないわけじゃないよ。だだ、1LDKじゃなくて1DKでよかったかな」
「観葉植物とか置いたらいいのに」
「エアプランツでも枯らしたことがあるんだよね」