愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 横で食べてる姿を見て、心の中で恋の神様に「ほんの少しだけ恋人気分を味あわせてください」と祈る。そうして、東條さんが食べる姿を見続けていた。

 ずっと続けばいいのにと思うのも束の間で、東條さんはスープジャーのふたを閉めると「ごちそうさまでした」と手を合わせた。

「美味しかったよ。明日も作ってくれる?」
「また朝ごはん食べないつもりですか?」
「ははっ。そうなるかな。でも今度は咲良ちゃんと一緒に食べたいな」

 袋にスープジャーを戻しながら、東條さんは「ダメかな?」と聞く。

「スープジャー、一個しか持ってないですし」
「あればいいの?」

 朝に一人で食べる姿が思い浮かんだ。
 一日を元気に過ごすため、なんの疑問も持たずに食べてきた朝ご飯。一人暮らしでもそれは変わらず、寂しいなんて考えないようにしていた。

 東條さんと朝ごはんを一緒に食べられたら、きっと幸せに違いない。

「……東條さんのスープジャー、買わないとダメですね」
「じゃあ、今日の買い出しにそれも入れよう」

 楽しそうに笑う東條さんは、エンジンをかけると「スーパーに行こうか」といった。