愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「一人分作っても美味しくないでしょ」
「週末だと朝昼晩三回分って考えると、そこそこの量を作れますよ」
「それを一人で飲むの寂しくない?」

 駐車場に向かいながらの会話で気付いた。

 ああ、そうか。東條さんはレンジで温める冷凍食品が嫌なんじゃなくて、自分のご飯を作るのが虚しいんじゃなくて、一人で食べるのが嫌なんだ。

「……それは、うん。わかります」

 私だって、お財布に余裕があったら自炊をしないと思う。だって、一人の部屋は寂しいもの。

「だから、友達が泊りに来る時は、張り切って作っちゃうんですよね」
「……友達?」
「はい。同じ学部で入学当時から仲のいい子たちで、二人ともよく泊まりにくるんです」

 野菜や果物を差し入れしてくれることもあるし、お米を持って来てくれた時は助かった。そんなことを話していると、駐車場に辿り着いた。
 私の話が途切れた時、頷いて聞いていた東條さんが足を止めた。

「それって……彼氏じゃなくて?」

 突然の質問にびっくりして振り返ると、真剣な顔がそこにあった。
 陽菜ちゃんが「両想いなんじゃないの?」といっていたことが脳裏に蘇る。