愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 なにを作ろうかな。
 東條さんは和食が好きみたいだし、炊き込みご飯とかいいかも。でも、寒くなってきたからシチューもいいな。クリームシチューとビーフシチューどっちが好きかな。野菜が好きみたいだし、ポトフもありだよね。グラタンは……お皿あるかな。

 よくよく考えたら、食器や調理器具がどうなってるのかも、行ってみないとわからないじゃない。料理はするっていっていたし、最低限はあるだろうけど。

 調理器具なにがあるか尋ねるの変かな……

 スマホを取り出して連絡しようとしたけど、手が止まった。そこまで訊いたら、さすがに引かれるかな。

 電車にのってバイト先の塾に着くまで、悶々と考えていた。考えたって答えが出ることじゃないのに、気がつけば考えるその繰り返しだった。

 けど、それがちょっと楽しくて、気を抜いら口許が緩まっていた。

 ◇

 いつもの時間、いつもの改札口だけど、土曜の朝とあって人影は少なかった。

「咲良ちゃん、おはよう」

 いつものように私を呼ぶ声を振り返ったら、そこに見慣れない東條さんを見つけた。
 スーツ姿じゃない。休日だから当たり前なんだけど、初めて見る私服姿が眩しすぎた。