愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 結城くんと猪原さん、将来のことをちゃんと考えているんだな。
 私は、研究したいことはあるけど、そこまではっきりと考えていなかった。

 キーボードに指をのせ、ふと今朝の東條さんを思い出す。
 私を送り出す時に「頑張って勉強してこいよ」ていっていた。東條さんは社長になっちゃうくらいだし、私よりももっと勉強してたんだろうな。

 さすがに私は起業って柄じゃないもんね。お父さんみたいな過労死を減らしたいって、漠然とした目的はあるけど……

 この日は、講義を聞きながらしばらくもやもやとしてすごした。
 午後の講義が終わって講義室を出ると、ポケットの中のスマホが震えた。

 立ち止まって確認すると、東條さんから「ごちそうさまでした」とメッセージが届いている。添付されている写真は空のお弁当箱。
 食べ終わったら写真を送ってくれるのが、すっかり日課になっていた。

 今日は遅いですねと返事をすると、困った顔をして土下座をする犬のスタンプが送られてきた。それから「会議が長引いて」と短く言い訳も。