愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「それは服と化粧にお金かければ良いだけじゃない?」
「そんな余裕ないよ」

 少しばかり恨めしい気持ちで陽菜ちゃんを見ると、察してくれたのか「ああそうか」と視線をずらされた。
 二人とも、私が片親だっていうのも知っているし、バイトをしている理由も知っている。

「一人暮らし大変だよね。バイト代、生活費に回るんでしょ?」
「うん、親には迷惑かけられないし」
「咲良は偉いよね。あたしは両親に感謝だわ。まあ、ここまで片道一時間半もかかるけどね。イノはお姉さんとルームシェアだっけ?」
「そう。一人暮らしするのに手取りが少ないからって」

 二人はそれぞれの住宅事情をぼやきながら「一人暮らしって憧れるけど難しいよね」と頷き合う。
 
「そういえば、結城も独り暮らしだよね?」
「そうだけど」
「やっぱりバイト三昧?」
「いや、株でそこそこ貯めてるから、そんな苦労はしていないよ」

 キーボードを叩きながら、結城くんはさらりと言った。それに私たちは「株か……」と返答に困って顔を見合った。

「在学中に起業を目指しているからさ。バイト代じゃ、大した額は貯められないだろう?」
「へー、案外考えてるんだ」