愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 優しい東條さんならあり得るかも。だって、東條さんが私を好きだなんてことはないだろうし。

 私は恋人でもなんでもないのに、ありがた迷惑になってるのかも。
 考え出したら、悲しくなってきた。

「しかもさ、わざわざ大学まで送っていくって、囲おうとしてるんじゃない?」
「イノもそう思う? 絶対そうだよね」
「陽菜ちゃん、猪原さん、囲うって……」

 なんだか盛り上がっている二人のは申し訳ないけど、それは絶対にないと思う。

「坂下さんを見ている顔、デレデレだったし」
「ま? それ見たかったな」
「で、デレデレ? そんなことないと思うけど……」
「やっと咲良にも春が来たのね」
「だから違うってば。私なんか東條さんと釣り合わないよ」

 だってベンチャー企業の社長だよ。
 副社長は男性みたいだけど、美人秘書とかいてもおかしくないと思う。どう頑張っても私はただの学生だし、朝ちょこっと会うだけで……一緒にいる時間が長いのは会社の人たちだし。

 いるかどうかもわからないライバルを想像して、ますます一人で落ち込んでいく。