結局、陽菜ちゃんと猪原さんに東條さんのことを教えろとせがまれ、レポートはほとんど進まなかった。
東條さんがベンチャー企業の社長だって話しは伏せたけど、バイト先の喫茶店で知り合ったことや、お弁当を作るようになったことは打ち明けた。
「坂下さんって、ド級のお人好しだね」
「いくら心配でも毎日お弁当って……あたしは無理だわ」
「咲良らしいったら、咲良らしいけどさ」
若干引き気味の結城くんと猪原さんに反し、陽菜ちゃんはにやにやと笑った。
「ねえ、それってもう両想いじゃないの?」
「そんなことないよ。東條さんから見たら、きっと私は子どもだろうし……」
「でもさ、好きでもない子の料理なんて食べないでしょ?」
陽菜ちゃんの言葉に、スマホをいじりながら猪原さんは「あたしなら食べないわ」と笑った。
まあ、確かに……私も、友達にお弁当作ってきたなんていわれても、困るかも。
勢いでお弁当を作りますって言い出したのは私だけど、東條さんも迷惑に思っていたのかな。あ、もしかして五万なんて金額を打ち出したのも、私を断らせるためだったとか。
東條さんがベンチャー企業の社長だって話しは伏せたけど、バイト先の喫茶店で知り合ったことや、お弁当を作るようになったことは打ち明けた。
「坂下さんって、ド級のお人好しだね」
「いくら心配でも毎日お弁当って……あたしは無理だわ」
「咲良らしいったら、咲良らしいけどさ」
若干引き気味の結城くんと猪原さんに反し、陽菜ちゃんはにやにやと笑った。
「ねえ、それってもう両想いじゃないの?」
「そんなことないよ。東條さんから見たら、きっと私は子どもだろうし……」
「でもさ、好きでもない子の料理なんて食べないでしょ?」
陽菜ちゃんの言葉に、スマホをいじりながら猪原さんは「あたしなら食べないわ」と笑った。
まあ、確かに……私も、友達にお弁当作ってきたなんていわれても、困るかも。
勢いでお弁当を作りますって言い出したのは私だけど、東條さんも迷惑に思っていたのかな。あ、もしかして五万なんて金額を打ち出したのも、私を断らせるためだったとか。


