愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「そうだけど、坂下さんは違うの?」
「私はそこまで考えてなかったけど……」

 東條さんが脳裏をよぎる。
 野崎教授が自慢だっていっていたし、東條さんも学生の頃から起業を考えていたのかな。

 今は生活データを集めているんだよね。
 モニターで使っているアプリは食事の報告だけじゃなくて、睡眠時のデータまでとれる仕様だし、連動させるウェアラブルデバイスもあるっていってた。それを使うと心拍数とか血圧まで測れるらしいけど……

「もしかしてヘルスケア関連なのかな」
「……え? なに?」

 無意識で言葉に出して呟いていた。それを聞き取った結城くんは、ディスプレイから視線を外してこっちを見ている。

 慌てて「なんでもないよ」といいながら、書き途中のレポート画面へと視線を戻し、東條さんのことをまた考えた。
 もしかしたら東條さんの事業は、私のやりたいことに近いのかな。だとしたら尚更、もっと食事に興味を抱いてもらわないと。

「健康はやっぱり食から変えなくちゃ」
「んー、なに?」
「ごめん、ただの独り言!」