愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 ごにょごにょと言葉を濁すと、結城くんは軽い感じでふーんと頷いた。

「まあいいや。寒いからラウンジ行かない?」
「そうだね。そうしよう!」

 深く追及されずにすんだだことに、ほっと胸を撫で下ろし、結城くんと肩を並べて歩き出した。

「野崎教授のレポート、終わった?」
「うーん、もう少し。これからラウンジで書こうと思ってる」
「マジ? 俺全然でさ。QOLの向上についてって範囲広すぎない?」
「そうかもね。もしかして、結城くんもレポートやるために早く来たの?」

 他愛のないことを話しながら歩いているうちに、東條さんに揺れ動いていた心はすっかり落ち着きを取り戻していた。

 もしもこの時、東條さんのことが気になって振り返ったら、彼の車がまだ駐車場を出ていなかったことに気付いていたかもしれない。だけど、私の頭はすっかり週明け提出のレポートに切り替わっていた。

 朝早いラウンジは学生もまばらで、私と結城くんは窓辺のテーブルに着くと、それぞれノートパソコンを取り出して向かい合う椅子に座った。

「坂下さん、どこまでやった?」