愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「夕飯も外食ばかりだし、冷蔵庫にあるのは酒と炭酸水と……」

 指折り数えながら思い出そうとする東條さんだけど、これは調味料すらあるか怪しい気がしてきた。もしかしたら、お米だって買っていないかもしれない。

 どれだけエンゲル係数の高い生活をしているんだろう。社長とはいえ、このエンゲル係数の高さは健康面から見てもよくないよね。

「東條さんの食生活、絶対エンゲル係数高いですよ」
「ははっ、どうだろうな。空腹でなければそれでいいってことも多いし」
「それはもっと身体に悪いです!」

 東條さんは私が怒ると、それすらも楽しそうに笑い返してくる。食に対して無頓着すぎる。

 少しだけ聞いた東條さんのお母さんの話しを考えたら、たぶん、幼少期に楽しい食事がなかったのだろうけど……食事は楽しいものだってわかれば、意識も変わるかも。

 そんなことを考えているうちに、いつの間にか信号は青に変わっていて、車は大学の駐車場へと向かっていた。

 いつものように車を停めた東條さんから空のお弁当箱を受け取り、ずっしりと重いお弁当箱と交換する。

「それじゃ、明日のことはまた後で連絡するな」