愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 東條さんの顔を見た瞬間、心臓が跳ねた。

 知り合ってから三ヵ月。ずっとイケメンだなって思っていたけど、毎日会うようになって着実に、私は彼に惹かれている。その証拠が、この騒がしくなる鼓動だ。

「おはようございます」

 それに、冷たい風が入り込む改札口を忘れちゃうくらい、東條さんの笑顔を見ただけで胸の中が暖かくなる。

「おはよう。そんなに急いで走ってこなくても大丈夫だよ」
「寒いところでお待たせしたら悪いので」
「そんなに待っていないよ」

 持っていたスマホをコートの内ポケットに入れた東條さんは、私が通行人とぶつからないよう、さりげに立ち位置を変える。そうして、行こうかといって歩き出した。
 そんなスマートさに、きゅんっとしてしまう。
 

「東條さん、毎日大学まで送ってもらってますけど、仕事、大丈夫なんですか?」
「平気だって。会社に向かう途中だし、俺が好きで送ってるだけなんだから気にしないの」
「だけど……」
「どうしても間に合わなければ、朝の会議は車から出ればいいし」

 今時はリモート会議がスタンダードなんだろうけど、迷惑をかけていないか心配になる。