愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 私から言い出したこととはいえ、毎日続けられるか少しだけ考えた。

「続けられるもんだな」

 それもこれも、東條さんがお弁当のどれが一番美味しかったとか、どうやって作るのとか尋ねてくれるからかもしれない。

 話しをしながら、少しずつ東條さんの好みを知っていくのも嬉しいし、なにより、同じお弁当をお昼に食べるのが毎日の楽しみになっている。
 一人じゃないって思えるんだよね。

 お弁当の余りで用意した朝食もアップロードして、急いで朝ご飯を食べ終えてから家を出た。

 今朝は随分と空気が冷えている。
 もうすぐ十二月になるし、温暖化といっても、朝晩はすっかり冷えるようになった。
 ぶるりと肩を震わせ、足早に駅へと向かった。

 混雑した車内で押しつぶされそうになるのも、もう慣れたもんだ。ただ、髪が崩れやすいのが難点だ。
 大学前駅に着いたらトイレに駆け込んで崩れた髪を整え、改札まで急いだ。

 講義が始まる一時間半前。さすがにまだ学生は少ない。だけど、近隣に住んでいる社会人や学生が改札を抜けてくる時間だ。
 まばらな利用客とすれ違って改札を抜けると「咲良ちゃん」と、穏やかな声に呼ばれた。