愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「そう怒るな。帰ったら話しを聞くっていっただろう……モニターを増やしたい? ああ、学生か。野崎教授に頼めば集まるだろうけど……あ、そうか。助かった、荒木! ああ、説明は後だ。オフィスで話す。とりあえず、切るぞ!」

 話しはまだ終わっていないと騒ぐ荒木を無視し、通話を切ってスマホを戻した。すると、助手席の咲良ちゃんは、おずおずと口を開いた。

「お仕事、大丈夫なんですか?」 
「ああ、うちの副社長がカルシウム不足でイライラしているだけだ。それより、五万だ」
「だからそれは──」

 少し不満顔になった咲良ちゃんの言葉を遮るように「その代わり!」と強くいえば、彼女は驚いた顔で口を閉じた。

「俺のリクエストに応えてもらう」
「……リクエストって、料理のですか? それは初めから聞こうと思ってましたよ」
「それだけじゃない。咲良ちゃんにも、モニターを引き受けてもらう」

 起死回生の一手とはいえないが、咲良ちゃんの興味を引くことはできたようだ。

「今、事業計画に必要な独身者の生活データを集めている。さっきの着信は、それに関する話だったんだが、学生のモニターが足りないっていうんだ」
「……はぁ」