愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 目的の塾が見えてきたところで、すぐ近くのパーキングに車を止めた。すっかり外は日が暮れて、車内も薄暗くなっている。通り過ぎる車のヘッドライトが咲良ちゃんの浮かない顔を一瞬照らす。
 改めて「弁当作ってくれる?」と聞けば、その眉間が凄いしわを寄せた。

 俺からしたら、五万が妥当なラインだ。咲良ちゃんの時間を使わせるのだし、それくらいの価値がある。けど、ついでと思っていた咲良ちゃんにとっては高すぎたのか。

 咲良ちゃんはスマホを引っ張り出すと、なにかせっせと文字を打ち込み始めた。

「ほら、見てください!」

 突き出された画面には、契約型のお弁当一食当たりの平均価格が示されていた。どうやらAIを使って調べたらしい。

「高くても一食千円。平均的に見ても750円ですよ。毎日届けたとしても、月三万を上回るのはもらいすぎです!」
「それは大量に契約をするからだろう。一人で作っている訳じゃない。弁当を作るのには献立の計画、買い出し、調理、片付け、様々な工程がある。平均したら一日一時間は俺のために使われるだろう?」

 どう考えたって、月三万は安いだろう。