愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「うん。お願いしようかな」

 極力、平静を装って返事をすると、咲良ちゃんはまるで花の蕾が開いたように顔をほころばせた。その瞬間、堪らない嬉しさを感じて、俺の頬も緩んだ。
 この笑顔は間違いなく俺に向けられたものだ。

「アレルギーはないですか?」

 スマホを取り出した咲良ちゃんは、次々に質問をしてきた。

 好き嫌いはあるのか、好みの味付けはなにか──楽しそうに尋ねる声に、胃袋をすっかり掴まれたような気がしてきた。
 このチャンスを逃すわけにはいかないだろう。

「だけど、ただで作らせるわけにはいかないかな」
「自分のついでに作るんで気にしないでください」

 そういうだろうことは想像していた。想像通りすぎて思わず笑ってしまった。

「材料費もかかるだろう。俺の弁当を作るなら、ちゃんと対価は受け取ってもらうよ」
「対価って……」
「そうだな。手間賃込みで月五万は受け取ってもらわないとだな」
「そんなに貰えませんよ! ていうか、そんな豪華なお弁当は無理です!」
「米の価格だって上がってるし妥当だ。それに、君の好意に甘えるダメな男にしないでほしいな」