愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 無言が続いた車内で、少しだけ凹みそうになった時だった。

「……お弁当は嫌いじゃないんですか?」

 咲良ちゃんが不思議なことを尋ねた。
 横に少し視線をずらせば、真剣な顔をして俺を見ている姿が視界に入る。

「好きか嫌いかなんて考えたことなかったな」
「えっと、質問を変えます。お弁当、一人で食べることもあるんですか?」
「……まあ、あるけど。おにぎりとかサンドイッチの方が手軽で買うことが多いかな」
「つまり、レンジで温めるのが嫌いなんですね?」

 これはなんの質問なんだろうか。
 車を止めて横を見ると、真剣な眼差しを向け続けている咲良ちゃんと視線があった。

「そうかもしれないな。それがどうしたんだ?」
「……私、お弁当作ります!」
「え? お弁当って……」

 突然の宣言を理解できなかった。

「迷惑じゃなければ、東條さんのお弁当を作らせてください!」
「……咲良ちゃんが? 俺のを?」
「はい! 私のお弁当のついでに作ります。冷食は極力使いませんから。あ、でも……」

 拳を握る勢いで頷く咲良ちゃんは、はたと気付いた様子で「店長に申し訳ないかな」と呟いた。