愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「栄養のバランスもいいし、忙しい世代には響く商品だよね」
「お値段も手ごろですからね。私も塾講師のバイトの夜はこれを買うことあるんですよ」

 いいながらカゴに一つ、ハンバーグとピラフのセットを入れる。

「さざんかのバイトだけじゃなくて、塾講師までやってるの? ずいぶん働くね」
「……うち、母子家庭なんですよ。親に負担かけすぎたくないんで、学費とアパート代以外は自分でなんとかしてるんです」

 母子家庭のことを隠す気はなかった。
 ただ、私を見ていた東條さんが凄く驚いた顔をしたから、打ち明けるのはこのタイミングじゃなかったのかもしれない。

「私、ご飯を食べるのが大好きなんです。お母さんのご飯が美味しかったから。だから、一人で食べるのが寂しい気持ちはわかります。でも……もしも、ご飯を食べないで私が倒れたら、お母さんは心配するだろうから」

 だから、一人でもご飯は食べないといけないと思ってる。疎かにしちゃいけない部分だって。