愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 意外なことに、東條さんには興味津々で冷凍野菜を眺めはじめた。
 そういえば、お店で遅いお昼を食べる時も野菜のホットサンドとか、スープも野菜一つ残すことがないんだよね。

「ゴボウのささがきまであるよ。これだと、きんぴら作るの楽だね」
「……東條さん、もしかしてお料理できるんですか?」
「んー、まあ、独り身が長いからそこそこは」
「じゃあ、なんでちゃんと食べないんですか!」

 呆れ半分で尋ねると、苦笑を浮かべた東條さんは「自分のご飯を作るのって虚しくない?」といった。

「虚しい?」
「料理をして食べた方が健康的なのはわかるけどさ。自分のために作って、洗い物をして……その時間があるなら、働いてる方が俺は有意義っていうかさ」

 淡々と語られた話しに、どきっとした瞬間、お母さんの顔が浮かんだ。

 私はご飯が好きだ。お母さんが作ってくれる煮物が好きだし、私の作ったスープを美味しそうに食べてくれるお母さんのことも大好きだ。手作りじゃなくてもいい。買ってきたお惣菜だって美味しいって笑っていた。