愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 信じているに決まってる。一織さんの思いを疑ったことなんてない。
 目の前が涙でかすんでいく。

「……本当に、私でいいんですか?」
「咲良ちゃんしかいない」
「料理を作るくらいしかできない私ですよ?」
「俺の健康には咲良ちゃんの料理が欠かせない。それに、俺を経営学で説き伏せられるのは、咲良ちゃんだけだ」


 指が絡まり、しっかりと握りしめられる。
 今すぐその胸に飛び込みたかった。大好きだっていって、ずっと一緒にいるっていいたかった。

「……条件があります」
「なにかな?」
「卒業までは待ってください。ちゃんと、大学は卒業したいです」

 声が震えた。
 陽菜ちゃんや猪原さんに話したら、バカだなっていわれるかもしれない。素直にプロポーズを受ければいいのにって。

 でも、この先も一織さんの横を堂々と歩くためには、いろんなことから逃げちゃいけないんだ。

「もっと勉強して、一織さんの力になりたいです。東條社長に小娘なんていわせない社会人になります。それまで──」
「うん、わかった。じゃあ、俺も条件をつけさせてもらうよ」
「条件……?」

 私の手を離した一織さんは私の頬に触れ、涙の痕を擦る。