「まだ残ってましたよね?」
不思議なことをいうなと思ったけど、私の疑問に一織さんは笑うだけで【珈琲さざんか】へと向かった。
二人でお店に顔を出すと、店長は少し驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になって「いらっしゃい」と、いつものように迎えてくれた。
そうして、カウンターの前で立ち止まった一織さんは私を抱き寄せると、店長に「結婚を前提にお付き合いさせて頂いています」と報告を始めた。
突然のことに驚いたのは私だった。店長はといえは、驚くよりも嬉しそうに頷いた。
「坂下さんは本当にいい子ですから、絶対に泣かせないでくださいよ」
いいながら、店長はカウンターにハンドミルやドリッパーを並べる。使い古したものじゃなくて、新品一式だ。
「こちらはお祝いです。坂下さん、お家で美味しいコーヒーを淹れてくださいね」
にこにこと笑う店長は、山茶花ブレンドの豆が詰められた袋をカウンターに置く。
「店長……あの、でも」
「いいましたよね。坂下さんのコーヒーを飲みたそうな常連さんがいるって」
「……え?」
「東條さんのために、淹れて差し上げなさい。私よりもきっと、美味しく淹れられますよ」
不思議なことをいうなと思ったけど、私の疑問に一織さんは笑うだけで【珈琲さざんか】へと向かった。
二人でお店に顔を出すと、店長は少し驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になって「いらっしゃい」と、いつものように迎えてくれた。
そうして、カウンターの前で立ち止まった一織さんは私を抱き寄せると、店長に「結婚を前提にお付き合いさせて頂いています」と報告を始めた。
突然のことに驚いたのは私だった。店長はといえは、驚くよりも嬉しそうに頷いた。
「坂下さんは本当にいい子ですから、絶対に泣かせないでくださいよ」
いいながら、店長はカウンターにハンドミルやドリッパーを並べる。使い古したものじゃなくて、新品一式だ。
「こちらはお祝いです。坂下さん、お家で美味しいコーヒーを淹れてくださいね」
にこにこと笑う店長は、山茶花ブレンドの豆が詰められた袋をカウンターに置く。
「店長……あの、でも」
「いいましたよね。坂下さんのコーヒーを飲みたそうな常連さんがいるって」
「……え?」
「東條さんのために、淹れて差し上げなさい。私よりもきっと、美味しく淹れられますよ」


