『この前の忠告を忘れたのか、一織。お前は私の跡取りだ。その肩には8,000人の社員とその家族がのっている。初心な小娘にうつつを抜かし、よもや社員を路頭に迷わすようなことをするなよ』
『彼女は関係ないだろう!』
『坂下咲良といったな。なにも力をもたない小娘を退学に追いやることくらい、簡単だとは思わないか?』
『ふざけるな!』
流された音声は、クリスマスの朝の通話内容だった。
「以前、あんたは俺に咲良ちゃんを母と同じ目に合わせるつもりかといった……そんなことはしない。俺は、俺のやり方で咲良ちゃんを守る」
私の手をぎゅっと握りしめた一織さんは、静かに告げた。
「この問題が明るみになれば、東條建設の築いてきた信用も揺らぐだろう。あんたの時代と違って、今はコンプライアンスを気にする。それに、世の中、重箱の隅をつつくようなヤツが多い 。俺の幼少期や母親のことを探られるだろう」
一織さんの淡々とした言葉に、東條社長の顔色が変わった。
「あんたこそ、8,000人の社員と家族が肩にのっているって、忘れていやしないか?」
『彼女は関係ないだろう!』
『坂下咲良といったな。なにも力をもたない小娘を退学に追いやることくらい、簡単だとは思わないか?』
『ふざけるな!』
流された音声は、クリスマスの朝の通話内容だった。
「以前、あんたは俺に咲良ちゃんを母と同じ目に合わせるつもりかといった……そんなことはしない。俺は、俺のやり方で咲良ちゃんを守る」
私の手をぎゅっと握りしめた一織さんは、静かに告げた。
「この問題が明るみになれば、東條建設の築いてきた信用も揺らぐだろう。あんたの時代と違って、今はコンプライアンスを気にする。それに、世の中、重箱の隅をつつくようなヤツが多い 。俺の幼少期や母親のことを探られるだろう」
一織さんの淡々とした言葉に、東條社長の顔色が変わった。
「あんたこそ、8,000人の社員と家族が肩にのっているって、忘れていやしないか?」


