愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「……咲良ちゃん?」
「お父さんのしていることは立派な脅し、強要罪に当たりますよね。……ああ、法律の授業もっと真剣に聞くんだったな。とにかく、法的措置を取れるレベルだと思うんです。まずは顧問弁護士に相談をして」

 鼻息荒くいい始めると、しばらくして一織さんは肩を震わせて笑い出した。

「……一織さん?」
「咲良ちゃんは、どうしてそう……」

 小さく笑った一織さんの瞳から不安や絶望の色が消え、その瞳に鋭い光が宿った。

「俺はあの男から逃げることしか考えれなかった」
「それはきっと、一織さんがたくさん心の傷負っているからで」
「だとしても戦わないと。……そうだろう?」
「はい。一緒に戦いましょう!」

 一人で戦えないなら私がいる。その気持ちをわかってくれたのかな。
 コーヒーカップを私に差し出した一織さんは「忙しくなるぞ」といってキッチンを出た。その後ろ姿からは、窓辺にいた時のような怒りを感じない。窓から差し込む朝日を受けて輝いていた。