愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「……不動産」
「俺も独立する前はあの男の元で働いていた手前、そっちの業界にもそれなりに顔は広い。だけど、俺があの男と上手くいっていないって噂は、それなりに知られているせいか、なかなか業務提携を結べずにいた」
「もしかして、そこに名乗りを上げたのが、橘社長?」
「ああ。だけど、それは……全部あの男が仕組んだことだった」

 どうしても不動産業と連携が必要だった。そこにつけ込まれたんだといい、深いため息をついた一織さんは後ろのソファーに寄りかかった。

「業務提携が決まり、プロジェクトを進める最中に婚約の話を持ち掛けられた」

 断ればせっかくの機会をふいにするかもしれない。そう不安に思ったのだろう。だから、麗華さんに白い結婚だなんていったのね。

「なんとか結婚を先延ばしにし、プロジェクトが軌道に乗ったら婚約を解消しようと考えていた」
「だから、麗華さんとは会わないように、忙しく働いていたんですか?」
「……それもある。都合よく、あのお嬢さんには結婚の意思もなかったからな。好きな男がいるなら、それも当然だよな」