愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 想像通りといえば想像通りだった。でも、婚約を推し進めていたお父さんがそういうのは、一織さんだって察しがつくはずだ。なのに、我を忘れるほど怒っっていた。きっと、それ以外に一織さんを怒らせるなにかがあったんだ。

「他には、なにをいわれましたか?」
「それは……」
「隠さないで下さい。私にできることは限られてるけど、でも、なにも知らないんじゃ一緒に打開策を考えようもないですよ。大学で、リスクヘッジでは情報共有が大切って学びませんでしたか?」

 ベンチャー企業の社長に講釈を垂れるなんておかしな話だ。だけど、きっと一織さんにはこのやり方が一番響くはず。

「悪い情報を伝えたくないって感情が働くことで、早期解決策を潰すことだってあるんですよ」
「……咲良ちゃん」
「婚約解消の件は一織さんだけの問題じゃありません。私の問題でもあるんです。話してください!」

 項垂れる手を掴んで懇願すると、一織さんは深く息を吸い込んだ。

「ホットケーキ冷めちゃったね」
「一織さん、今はそういうことじゃなくて!」
「食べながら話すよ。ああ、スープも冷めてるから、温めなおそうか」