愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「……一織さん?」

 部屋を見渡す。
 カーテンが明けられている。エアコンもついていて、部屋はすっかり温まっているから、もう起きたんだよね。トイレにでもいっているのかな。
 今、自分が一人なんだと気付き、とたんに心細くなった。その時、玄関が開く音がした。
 弾かれるように廊下に通じるドアを開けると、コンビニの袋を下げた一織さんがそこにいた。
 ほっと安堵して「おはようございます」といえば、驚いた顔をされた。

「おはよう、咲良ちゃん。もう少し寝ていていいよ」
「……おはようございます。コンビニに行っていたんですか?」
「ああ、これね。ブランチに行くまでにお腹が好きそうだったからさ」

 キッチンに入った一織さんは、コンビニの袋から買ってきた物を取り出した。カットフルーツとインスタントのコーンスープだ。
 朝食を用意しようとしていると気付いた。

「昨日、久しぶりに食べたら美味しかったからさ」

 台の上においたままになっていたホットケーキミックスの箱を手にして、一織さんは照れたように笑った。

「たまには朝からホットケーキもいいかなって」
「今すぐ焼きますね!」
「ああ、違う。俺が焼きたいの」