愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 見つめ合った私の気持ちを察してくれたのだろうか。
「かけがえのないパートナーだよ」と優しく囁く一織さんは、そっと私の頬に手を添えた。それに指を重ねれば、長くてかたい指先が絡まる。

「一織さん、私の手を離さないでくださいね」

 私のお願いに応えるように、指に力が込められた。
 熱い吐息が触れるほどの距離まで近づいた一織さんは、確かに「離さないよ」と告げ、私の口を唇で塞いだ。

 ◇

 昨夜は手を繋いだまま見事に寝落ちてしまった。
 キスをされ、嬉しいやら恥ずかしいやらで縮こまっていたら、背中を撫でられているうちに眠気が襲ってきて、朝までぐっすり。

 横で寝ているはずの一織さんはもう起きているみたい。
 枕元に置いたスマホを手繰り寄せ、時間を見るといつも起きる6時だった。今日はお弁当作らなくていいのかと思うと、少しだけ寂しい気がする。

 二度寝をする気にもなれず、ベッドを抜けて隣の部屋へに顔を出した。
 もしかしたら仕事をしているのかもという予想に反し、リビングはしんと静まり返り、一織さんの姿もなかった。