愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 十歳も年が離れている一織さんによしよしをするなんて、ちょっと恥ずかしい。だけど今は、そうするべきだと思ったし、これくらいしかできない。

「……前もいったけどさ、咲良ちゃん、本当に大学二年生?」
「そうですよ。来年からは卒論に向けての探求ももっと頑張らないとです」
「まさかベッドに入って、デリゲーションなんて単語を聞く日が来るとはな」
「一織さんがあまりにも全部抱えようとするからですよ!」
「ははっ、面目ない」

 やっと本心から笑ってくれた気がした。
 顔を上げると、一織さんは暗い部屋でもわかるくらい幸せそうに笑ってくれている。

「心強いよ」
「もっと一織さんの力になれるよう、勉強しないとですね」
「頼もしいけど、うかうかできないな。咲良ちゃんに経営を乗っ取られそうだ」
「そこは最高のパートナーになりそうだ、でしょ?」

 ちょっと怒ったようにいってみたけど、一織さんは嬉しそうに「そうだな」って頷く。

 現場を知らない私が社会にでたとしても、役に立てる日が来るのは、まだまだ先だろう。一日でも早く追いついて、一織さんの横に立ちたい。ご飯だけじゃなくて、全部、力になりたい。