愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「一織さん、私に信じてっていったでしょ。同じです。私のことも信じて欲しい。どんなことがあっても、私は一織さんの味方だから、側にいるから」

 本当は、なんでも打ち明けて、相談してっていいたい。でも、会社のことに口出しができる立場じゃないのもわかってる。だから、今の私にできることは一織さんを信じることだけ。
 もどかしさに胸が苦しくなるけど、それと戦うのが私の今やるべきことなんだろう。

 衣擦れの音がして、私の指を放した大きな手が背中に回された。さらに引き寄せられ、逞しい胸に顔を埋めれば、心音がさらに近づく。

「辛い時はいってくださいね。一人で全部どうにかしようとしないでいいんですよ」

 責任が求められる立場なのも、抱えている葛藤がたくさんあるのも想像がつく。だけど、だからこそ頼ってほしい。

「問題解決には権限移譲(デリゲーション)も必要でしょ? 学生の私が一織さんの責任を肩代わりは無理ですけど、一織さんに婚約解消を決めさせた責任くらいは、私にも負わせてください」

 私の肩を締め付ける力が強くなり、耳元で「ありがとう」と震える声が響いた。
 大きい背中に手を回し、そっと撫でる。