愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 優しい声音はいつだって私を安心させる言葉しか紡がない。それが嬉しくも寂しくも思うのは、昼間に結城くんから話を聞いているからかもしれない。

 麗華さんのお父さんが怒っているって、いっていた。それが会社に影響しているんじゃないか。
 恋人と仕事どっちが大切なんていう女にはなりたくないのに。一織さんは、どこまでも私を優先しようとしているのが、ひしひしと伝わってきた。

「婚約を解消したら、一織さんの立場が悪くなるとかないですか?」
「……気にしすぎだよ」

 今の間はなんだったのか。それを聞いても、きっと一織さんは誤魔化すんだろうな。
 もしも、経営学を学んでいなかったら、気にならなかったのかな。私を優先してくれることを、素直に喜べたのかな。
 クリスマスの夜くらい、もっと素直で可愛い女になれればいいのに。

 一織さんに愛されていると感じると同時に、彼が必死になって作ってきた会社を潰すようなことにはなってほしくないと、強く思ってしまう。

「私はご飯を作ることしかできない学生だけど、誰よりも一織さんの理解者になりたいって思ってます」
「……咲良ちゃん?」