愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 一つ一つの行動や言葉から、私に負担をかけまいとして言葉を選んでくれているのが伝わってくる。

「無理してでも咲良ちゃんとの時間を作りたいオジサンのわがまま、ダメかな?」

 ほら、自分の責任みたいにいう。
 ふにふにと掌を触っている指をぎゅっと握りしめた。

「ダメなわけないじゃないですか。……嬉しいです」

 ほんの少しだけ一織さんに近づくと、ほっと安堵の吐息が聞こえた。

「だけど、オジサンっていうのは禁止ですよ。自分から老け込むことないんだから」
「そういうけど、来年で三十だよ」
「私のお母さんが聞いたら、四十五の私はお婆ちゃんかしらって怒りますよ」
「──!? そんなことないです。四十五はお若いです」

 急に畏まっていった一織さんは深い息を吸うと、私のことを引き寄せた。
 少し早い鼓動が耳に触れる。

「いろいろ整理がついたら、咲良ちゃんのお母さんに会わせてもらえるかな?」
「……麗華さんとの婚約のことですか?」

 耳に触れそうな唇から、少し小さく「うん」と返事が零れる。