愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 マンションに着いたのはだいぶ遅い時間だった。
 せっかくだからケーキくらい食べたいよねといってコンビニに立ち寄ったけど、さすがにコンビニスイーツも売り切れていた。

「来年のクリスマスは二年分のケーキで祝わないとだな」
「なんですかそれ」

 本音をいえばケーキなんてどうでもよくて、今、一織さんと一緒にいられることの方が嬉しい。そんなことを思って通り過ぎようとした棚に、ホットケーキミックスの箱を見つけた。

「咲良ちゃん?」
「いいの見つけました」

 カゴにホットケーキミックス、バニラアイス、カットフルーツ、ナッツを入れると、一織さんは「これから焼くの?」と首を傾げた。

 そうして、マンションの部屋に着いたのは23時すぎ。
 部屋にバターの芳ばしい香りが立ち、ふっくらと焼き上げたホットケーキをお皿に重ねた。スプーンですくったアイスとカットフルーツをのせ、おつまみのナッツを砕いて散らす。
 
 思い立って夜中に作ったホットケーキだけど、それなりに見える形になった。二人で分けた熱々のホットケーキは、人生で一番甘くて幸せな味がした。