愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「ああ、別に怒ってないよ。優しい咲良ちゃんのことだから、そんなことだろうと思ったし。だからさ、こう大人の余裕みたいなのを見せようかと思って、店まで行ったんだよね」

 今夜の種明かしをはじめた一織さんは、少し照れた顔で口角を上げた。

「颯爽と現れて咲良ちゃんを連れ出して、夜景の見えるホテルで二人っきりのイブを送って、惚れ直してもらおうかなって……下心があったというか」

 交差点で停まると、私を振り返った一織さんは「余裕なさすだな」と苦笑する。その顔を見たら、胸が熱くなった。

 だって、私の立場とか交友関係まで考えてくれたってことだよね。合コンに行くなっていえばいいだけなのに、私のことを考えて気持ちを伝えようとしてくれて。

「お店に来てくれたの、嬉しかったです」
「そこはサプライズ成功だったね」
「二次会に行こうって誘われていて、断りにくい状況だったから本当に助かりました」