愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「支払いはすべてしてあるから、気にしないで休んでいってくれ」
「迷惑ばかりおかけして、本当に申し訳ありません」
「これからも、咲良ちゃんと仲良くしてくれればいいから」

 そういった一織さんに、猪原さんはぺこぺこ頭を下げると、私にも「ごめんね。ありがとう」といって、ホテルのスタッフさんに案内されて中に入っていった。

 二人を見送ってホッとした私を、一織さんが「さて、それじゃ行こうか」と促した。

「一織さん、色々とありがとうございました。その、ホテルもだけど……レストランの支払いもしてくれたんですよね?」

 ホテルの敷地を出た辺りで、思い切って話しかけると、一織さんは苦笑を浮かべて「サプライズ失敗だな」と笑った。

「サプライズ?」
「そう。咲良ちゃんから合コンに行こうか悩んでるって連絡もらって、実はショックでさ……」
「──!? ごめんなさい。あの、私、断り方がわからなくて」