愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 一織さんは車を停めると「ここで待ってて」といってさっさと降りてしまう。
 二人を残して慌てて追いかけると、私に気付いた一織さんが気付いて立ち止まった。

「車で待ってていいのに」
「だってここって……」
「ははっ、実は咲良ちゃんを驚かせようと思って、予約とってたんだよね」

 苦笑を浮かべる一織さんは、フロントに声をかけた。

「東條様、お待ちしておりました」
「ちょっとお願いがあるんだけど、今日の予約、体調の悪い知人を泊めたいんだ」
「何名様でしょうか」
「二名だ。俺は帰るけど、頼めるかな?」
「かしこまりました。ご予約のルームサービスはどういたしましょう」
「そのまま届けてくれ。ああ、水も多めに頼む。それと──」

 てきぱきと予約の変更をする一織さんが一通り話し終えると、フロントから車いすを押したスタッフが出てきた。

 車まで案内して猪原さんに説明すると、最初こそ「そんな迷惑は」といわれたけど、スタッフの人たちが迎えに来たことで諦めてくれたらしい。