猪原さんと二人で後部座席に陽菜ちゃんを乗せていると、一織さんが店を出てきた。
「大丈夫そうかな?」
「寝ちゃったんで、しばらくは大丈夫かな」
「じゃあ、咲良ちゃんのアパートまで送るね」
助手席のドアを開けてくれた一織さんは私を乗せるとすぐに、運転席について車を発進させた。すると、後ろに座る猪原さんが「駅までで大丈夫です」といいだした。
「うちに泊まっていきなよ。明日の講義は午後だけでしょ?」
「そうだけど……」
振り返って座席の間から猪原さんを覗き込むと、申し訳なさそうな顔をした彼女はちらりと一織さんを見た。
「陽菜のわがままにこれ以上付き合わせるのは」
「なにいってるの、猪原さん。寝ちゃってる陽菜ちゃんを連れて帰るのは危ないよ」
「でも、せっかくのクリスマスイブなのに……坂下さん、まだデートする時間はあるんだよ」
「えぇっ、なにいってるの、猪原さん!?」
「二人の邪魔をするのは申し訳ないというか……」
「そ、そんなこと気にしないで! 私は一織さんに会えただけで嬉しいし、それに、陽菜ちゃんが心配だし」
猪原さんは、私たちに気を遣ってくれているんだ。
「大丈夫そうかな?」
「寝ちゃったんで、しばらくは大丈夫かな」
「じゃあ、咲良ちゃんのアパートまで送るね」
助手席のドアを開けてくれた一織さんは私を乗せるとすぐに、運転席について車を発進させた。すると、後ろに座る猪原さんが「駅までで大丈夫です」といいだした。
「うちに泊まっていきなよ。明日の講義は午後だけでしょ?」
「そうだけど……」
振り返って座席の間から猪原さんを覗き込むと、申し訳なさそうな顔をした彼女はちらりと一織さんを見た。
「陽菜のわがままにこれ以上付き合わせるのは」
「なにいってるの、猪原さん。寝ちゃってる陽菜ちゃんを連れて帰るのは危ないよ」
「でも、せっかくのクリスマスイブなのに……坂下さん、まだデートする時間はあるんだよ」
「えぇっ、なにいってるの、猪原さん!?」
「二人の邪魔をするのは申し訳ないというか……」
「そ、そんなこと気にしないで! 私は一織さんに会えただけで嬉しいし、それに、陽菜ちゃんが心配だし」
猪原さんは、私たちに気を遣ってくれているんだ。


