愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 少し口角を引きつらせた瀬尾さんは、曖昧に頷いた。それに、猪原さんはがっかりしたような、ホッとしたような顔でため息をつく。

「瀬尾さん、陽菜に少しでも気があるなら、昼間にでも誘ってあげてください。でも、変な気を起こすようなら……許しませんから」

 猪瀬さんはきっぱり言い放つと、ふらつく陽菜ちゃんに肩を貸して歩き出した。
 私は瀬尾さんたちにぺこりと頭を下げ、荷物をもって一織さんの後を追った。

「咲良ちゃん、これでドア開けて先にお友達を後ろに乗せてくれる?」

 立ち止まった一織さんはポケットからスマートキーを取り出して私に握らせると、ウェイターへ声をかけた。

 もしかしたら、支払いをするつもりなのかも。そんな迷惑をかけるわけにはと思ったけど、外で待っている二人が心配だったのもあり、ここは甘えることにした。