愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 驚いて立ち上がると、車のドアを閉めた一織さんがこっちを見た。そうして、悠然と歩いた彼は、程なくして席の側までやってきた。

「咲良ちゃん、そろそろ飲み会も終わる時間かと思って、迎えに来たよ」
「え、あの……」
「お友達、大丈夫かい? 具合が悪そうだけど。飲みすぎかな」
「そ、そうなの! 陽菜ちゃん、ねえ、起きて。そろそろ帰ろう」
「えー、まだ飲めるよぉ」

 ソファーに項垂れる陽菜ちゃんは、すっかりできあがっている。

「二人も送っていこうか」
「いいんですか?」
「お友達には、恋路を邪魔されたって嫌われるかもしれないけど……酔った男三人に任せるのは、オジサンとしては見過ごせないかな」

 にこりと笑った一織さんに、猪原さんが「助かります」といって立ち上がった。

「陽菜、陽菜! 帰るよ。今日はもうお開きね」
「えー、二次会は?」
「カラオケ開いてなかったから、また今度!……ですよね?」

 眼光鋭い猪原さんは、陽菜の荷物をもつと、瀬尾さんたちを振り返った。