愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「猪原さん、お酒強いんだね」
「そうかな? うちのお姉ちゃんと比べたらそうでもないよ」

 けろっとしながらグラスを空ける姿は、カッコいいとすら思えた。

「陽菜ちゃんはもうそろそろ、飲むのやめた方がいいよ」
「まだ飲めます~」
「水を頼もうか。すみません!」

 瀬尾さんたちも気にしてくれているが、陽菜ちゃんはグラスをもって追加を頼もうとする。

 今夜は私のアパートにお泊り確定かなと考えていたら、誰かが「二次会行こうか」といいだした。

「平日だし、この時間ならカラオケ空いてるんじゃないか?」
「陽菜ちゃんも眠そうだし、ちょっと休ませるのに丁度いいかもな」
「二人も行けるよね?」

 まるで行くことが決定事項のようにいう三人は、にこにこと笑顔を向けてきた。
 ぞわりと背筋が震え「いえ、私は」と口を開きかけた時だった。

「ねえ、外にまってる車、アークスじゃない?」

 猪原さんが私の袖を引っ張った。釣られて窓の外を見ると、見覚えのある車体が止まっている。そこから出てきたのは──

「一織さん!?」