愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 がりがりと髪をかき乱した結城くんは「迷惑かけちゃったな」と呟いた。

「これで東條さんの仕事に問題が起きたら、俺の責任だよな」
「そんなことないよ」
「……ありがとう。坂下さん、後で東條さんに直接お礼をいわせてもらえないかな?」

 立ち止まった結城くんは真剣な顔で私を見ていた。
 もしかしたら、これから起業しようと思っている結城くんだからこそ、思い悩むところがあるのかもしれない。

「私がいえる立場かわからないけど、あまり思い悩まないでね。結城くんと麗華さんのおかげで、私は一織さんに告白できたんだし」
「どうかな。俺たちがお願いしないでも、いつかは打ち明けてたんじゃないかな」
「だとしても、二人はきっかけをくれたんだよ。ありがとう」
「……礼をいうのは俺たちなのに」

 苦笑した結城くんは、改札を潜ると「東條さんによろしく」といって反対ホームへと歩いていった。

 ホームに入ってきた上り電車に乗ると、ポケットの中のスマホが震えた。開いてみると、空っぽになったお弁当箱と「メリークリスマス。美味しいプレゼントをありがとう」って短いメッセージが添えられていた。