愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

「ははっ、面目ない。コンビニにでも寄って、なにか買っていくよ」
「……東條さん、ちゃんとご飯食べてますか?」

 私の質問に、東條さんは視線を逸らして「それなりには」なんて言葉を濁す。
 物凄く怪しい。ちゃんと食べていないんじゃないかな。

 私のお父さんもいつも忙しく働いている人だった。
 夜遅くに帰宅してご飯を食べながら、お昼ご飯を食べ損ねたってお母さんと話しているのを、何度か聞いたことがあった。夕飯だって、お母さんが用意しないと食べないでお酒しか飲まないような人だった。

 東條さんとお父さんは別人だってわかってる。なのに、どうさはてか同じような気配を感じていた。
 
「今日の朝ご飯は、なにを食べたんですか?」
「えーっと……バナナとヨーグルトとコーヒー」
「……なんですか、その間違ったダイエットしてる女子みたいな朝食」
「ははっ、時間がなくてな」

 バナナは皮をむくだけだから楽だしなんて笑っているけど、それでお昼ご飯を食べ損ねたって、どう考えても寿命を縮めるような食生活だ。

「東條さん、体が資本ですよ。ちゃんとご飯食べてください!」