愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~

 持っているバッグが小さいのを見れば、化粧ポーチだって入っていないだろう。そもそも、少しだけ話をしたらアパートに戻るつもりだっただろうし。

「パジャマも売ってると思うよ」
「えっ……」
「俺のじゃデカすぎるだろ?」

 それはそれで、男の夢がつまった姿になるから大歓迎だが、そうなるとキス以上を堪えるというのも苦しくなりそうだ。

 平静を装って咲良ちゃんを見下ろすと、白い頬がぽっと染まった。
 本当に初心で可愛いな。

 慌てて移動する後ろをついていくと、雑貨が並ぶ棚の前で、咲良ちゃんはパジャマではなく別のパッケージに手を伸ばしていた。

「スキンケアのセットも買っていいですか?」
「ああ、そうか。シャンプーとかは俺の使っているのでいい?」

 男の俺と違って、女の子ならヘアケアにも拘りがあるかもしれない。そう思ったが、咲良ちゃんはまた顔を赤らめて「使わせて頂きます」なんて緊張気味にいった。

 スキンケアセットをカゴに入れた咲良ちゃんは、棚をちらっと振り返る。なにか必要なものがあるのだろうか。